この記事では、IELTS Readingで英文をスラスラ読めるようになるためのコツをご紹介します。
今回紹介する方法を実践することで、筆者はReading 7.5をコンスタントに取れる読解力を身に着けることができました。
この記事が皆さまの勉強の一助になれば幸いです。
はじめに・・・
IELTS Readingは、TOEICなどの他の試験と比べると、より難易度の高い単語や表現が英文にちりばめられているため、難しく感じる方も多いことでしょう。
筆者もIELTSの勉強を始めたばかりの頃、模擬試験を受験してみたのですが、TOEIC 780を取得しており英語力はある程度あったにも関わらず、正答数は全40問中たったの11問(スコアにしてReading 4.0)でした。
時間切れで最後の問題まで解くことはおろか、半分強の22~23問くらいしか解くことができませんでした。
それだけ、IELTS Readingは難易度が高く、付け焼刃では対応しきれないということです。
しかしながら、今回紹介する方法で対策を続けた結果、筆者はReading 7.5をコンスタントに取得することができるようになりました。
Readingセクションで時間に余裕を作りたい方、時間切れになってしまう方は是非参考にしてみてください。
スラスラ読むためのコツ
まず、スラスラ読めない理由として、単語を知らないということを除けば、以下の1つの大きな理由が考えられます。
これを改善することで英文を読むスピードは格段に上がるはずです。
- 英語を英語の語順のまま理解できない
当たり前に聞こえるかもしれませんが、英文をスラスラ読めない原因はこれ1つと言っても過言ではありません。
この問題を解決するためのコツを以下で紹介します。
英語を英語の語順のまま理解する
英語を英語の語順のまま理解できない理由としては以下の4つが考えられます。
この4つを徹底的に改善するだけで、格段に読解力が上がります。
- 文意を決定する動詞を見逃している
- 名詞が長くなると名詞として捉えられない
- 並列構造が把握できない
- 分子構文が理解できない
文意を決定する動詞を見逃している
英文を読むうえで最も大切なことと言っても過言ではないのが、文意を決定する動詞の場所を特定することです。
動詞なしでは文に意味を持たせることができないため、英文には必ず文意を決定する動詞が含まれます。
しかしながら、長文になると、読んでいる途中でその動詞がどこなのか分からなくなってしまうことはよくあることです。
例文を使いながら少し実践してみましょう。
例1)A large propotion of workers from all demographics claim to be disssatisfied with the way thier work is structured and the way they are managed(あらゆる層の多くの労働者は仕事の構造や管理のされ方に不満を主張しています)
この中に黄色線の通り、4つの動詞が存在しますが、文意を決定する動詞がどれかすんなりと分かりましたでしょうか?
正解は、「claim」ということになります。
もしスラスラと英文を読めない場合は、文意を決定する動詞を見逃している可能性があります。
精読をする時に必ず文意を決定する動詞を特定し、そのうえで繰り返し読むことをお勧めします。
対策としては、精読をする際に、文意を決定する動詞にマーカーを引くというのがシンプルで効果的だと筆者は考えています。
名詞が長くなると名詞として捉えられない
名詞が長くなっても名詞として捉えるためには、関係代名詞やコンマの役割を見極める必要があります。
例文を使いながら紹介していきたいと思います。
例1)Taro Yamada played tennis before coming to a school(山田太郎は学校に来る前にテニスをした)
これなら誰もが簡単に理解することができますよね。
しかし、以下の例2のようになったらいかがでしょうか?
例2)Taro Yamada, a Japanese student who comes from Tokyo played tennis before coming to a school(東京出身の日本人生徒の山田太郎は学校に来る前にテニスをした)
例2を読んだ時に、難しく感じた人も多いはずです。
名詞の直後に来るカンマや関係代名詞(who/which/that等)に常にアンテナを張り、名詞以降も併せて1つの名詞として捉えることが重要です。
対策としては、精読する際に、対象となる名詞を名詞直後の修飾句も含めて以下のようにマーカーを引き、一目でそれを一つの塊として捉えられるように練習するのがおすすめです。
Taro Yamada, a Japanese student who comes from Tokyo played tennis before coming to a school
並列構造が把握できない
長文になればなるほど、並列構造を見抜くのが難しくなります。
それがスラスラ英文を読むための大きな壁となっている可能性があります。
実際に例文を見てみましょう。
例1)I like sports such as tennis, baseball, and basketball(私は、テニス、野球、バスケットボールといったスポーツが好きです)
これなら誰もが簡単に理解することができますよね。
しかし、以下の例2のようになったらいかがでしょうか?
例2)I asked him about the next strategy that can be shared next month, the employee’s morale that can offer significant improvement in the products, and the importance of learning English to be promoted in the company(私は彼に、来月共有される可能性のある次の戦略、製品の大幅な改善につながる可能性のある従業員の士気、そして会社で昇進するために英語を学ぶことの重要性について尋ねました)
例2を読んだ時に、難しく感じた人も多いはずです。
対策としては、並列構造を把握しながら精読をするようにしましょう。
特に「A, B, and C」といった表現は要注意です。
A, B, Cには基本的に名詞(名詞句)が入りますが、この表現の場合は各並列の頭が名詞の表現で揃っているため、初見の時はそれに気づくことが重要です。
分子構文が理解できない
まず、ご存じの通り、分子構文は文の主節を補足する役割をもつ文法表現です。
カンマ+ing形で表されることが多いです。(文頭ではカンマなしのing形)
こちらも実際に例文を見てみましょう。
例1)While she was reading a book, the baby fell asleep, leaving her time to relax.(彼女が本を読んでいる間に、赤ちゃんが眠り、彼女にくつろぐ時間を残した)
黄色線が分子構文の表現ですが、文の主節である「the baby fell asleep」を補足しています。
こちらは文も短いため難易度はそこまで高くないと思います。
しかし、以下の例2のようになったらいかがでしょうか?
例2)The research team presented their findings during the conference, summarizing key data points collected over the past year, explaining the methodology used for analysis, and highlighting potential applications of their work in various industries to attract further interest and possible funding from international organizations(研究チームは会議中に調査結果を発表し、過去1年間に収集した重要なデータポイントを要約し、分析に使用した方法論を説明し、さらに国際的な組織からの関心や可能な資金提供を引きつけるために、彼らの研究がさまざまな業界でどのように応用できるかを強調しました)
これは正直かなり難しいと思います。
主節の「The research team presented their findings during the conference」を「summarizing」「explaining」「highlighting」以降の3つの分子構文で補足しています。
分子構文に加え、1つ前でご紹介した並列構造の要素もミックスされている英文になっています。
対策としては、文中のカンマ+ing形にアンテナを張り、分子構文を見つけたら主節を補足する情報として処理することがおすすめです。
まとめ
以下のポイントを参考に、繰り返し英文を精読してみてください。
Readingは効果が表れるのに時間がかかりますが、それが着実に英語力の底上げに繋がっています。
時間を割いてじっくりと向き合っていきましょう。
- 文意を決定する動詞を見逃さない
- たとえ名詞が長くなっても一塊の名詞として捉える
- 「A, B, and C」表現にアンテナを張り、並列構造を把握する
- 文中に「カンマ+ing形」表現が来たら分子構文を疑う

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